y’s beauty tips お知らせ・情報・スタッフブログ

膣圧の低下が気になる女性へ|原因・トラブル・改善方法を徹底解説

「体を動かすと尿が漏れることがある」「パートナーとの性行為で感じづらくなった」など、膣圧に関して悩みがあるけど、デリケートな内容のため誰にも相談できず抱え込んでいる方も少なくないでしょう。

本記事では、膣圧の低下で悩んでいる女性に向けて、その原因やセルフチェックのやり方などを解説します。日常生活でできる改善方法も紹介するため、1人で悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

膣圧が弱いとはどのような状態?

膣圧が弱い状態とは、膣の締まりや弾力が低下している状態です。子宮や膀胱など骨盤周りの臓器を支える骨盤底筋の筋力低下、エストロゲンと呼ばれる女性ホルモンの分泌量低減により膣がゆるみやすくなります。

膣圧が弱いと入浴後にお湯が膣から漏れたり、性行為中に膣から空気が漏れるような音がしたりします。原因は加齢だけではないため、若い女性の方でも十分に起こりうる症状です。

膣圧が弱くなる原因

膣圧が弱くなる原因は加齢や筋力低下、出産など様々なものがあります。年齢だけでなく生活習慣も要因なため、知らない間に膣がゆるんでいることもあります。

そのため、まだ若いから大丈夫だろうと油断せず、日頃から健康な生活や特定の筋肉に負荷をかけない正しい姿勢を意識してください。ここでは、4つの原因を紹介します。

加齢・運動不足による筋力の低下

加齢や運動不足で筋力が低下すると、膣圧が弱くなります。加齢に伴い体の筋力が低下するように、骨盤底筋も筋肉であるため徐々に筋力が衰えていきます。また、日常的な運動不足も筋力が低減していく要因の1つです。

骨盤底筋や膣周辺の筋肉は、特に意識して動かしにくく、トレーニングしづらい箇所です。そのため、骨盤底筋の筋力低下は膣圧の低下にもつながっています。運動不足やデスクワークが多い方は特に気をつけましょう。

出産による筋肉のゆるみ

出産は、一般的な膣圧低下の原因です。妊娠中は赤ちゃんがいる子宮の重みが骨盤底筋にかかり、出産時には膣壁が大きく引き伸ばされます。そのため、妊娠や出産を経験した女性は、膣のゆるみを感じやすいといわれています。

妊娠中は赤ちゃんがいる子宮の重みが骨盤底筋にかかるため、常に負荷がかかっている状況です。その負荷は、赤ちゃんが成長するにつれて大きくなっていきます。そして出産では、赤ちゃんが産道を通るときに膣壁や筋肉が引き延ばされます。

帝王切開になったとしても、妊娠の過程で骨盤底筋に負荷がかかっているため、筋肉はゆるんでいる状態です。出産後徐々に回復していきますが、完全に元の状態に戻るとは断言できず、膣のゆるみを感じる場合もあります。

姿勢の悪さ・肥満による骨盤底筋への負担

姿勢の悪さや肥満も過度に骨盤底筋への負担をかけるため、膣圧が低下する要因です。継続的に負担がかかることで、筋肉がダメージを受けます。

日常で同じ姿勢を長時間続けていたり猫背や反り腰でいたりすると、骨盤の位置がずれます。その結果、腰が痛んでさらに姿勢悪化が引き起こされるのです。肥満の方は、体重の重みが骨盤底筋に圧力をかけ続けます。体内の臓器が押し出されたり姿勢悪化を助長したりすることで、筋力低下につながります。

ホルモンバランスの変化

女性ホルモンの1種であるエストロゲンの分泌量低下は、年齢を重ねた女性に必ず起こる、膣のゆるみにつながる現象です。エストロゲンは膣の潤いや弾力を保つ役割を果たしており、コラーゲン量も低減するため膣圧が弱まります。その結果膣の組織が薄くなり、ハリや弾力が失われるため膣圧低下が進行します。

加齢だけでなくストレスや閉経も、ホルモンバランスの変化につながる原因です。女性ホルモンの低下は閉経を迎えると特に大きくなり、膣を締める力が弱まります。

注意:膣圧と性行為の頻度に直接的な関係はない

性行為の回数が多いと膣がゆるむと聞いたことがあるかもしれませんが、医学的に直接的な因果関係はないとされています。膣は伸縮性に優れた器官であり、性行為によりゆるむことはないでしょう。

過度に不安がる必要はありませんが、傷つくようなプレイをしたり高頻度で行為をしたりすると膣がゆるんでしまうかもしれません。性行為の頻度よりも、加齢や生活習慣の悪化などの方が大きく影響する要素です。
 

 

膣圧が弱いと起こりやすいトラブル

膣圧が弱いと、腹圧性尿失禁や骨盤臓器脱などの病気を引き起こす場合があります。また、感染症にかかるリスクもあります。どの症状も日常生活に影響を及ぼすため、あらかじめ知識を身につけておいてください。ここでは、4つのトラブルを解説します。

腹圧性尿失禁

特に多いトラブルの1つが、腹圧性尿失禁です。骨盤底筋がゆるんでいると、お腹に力を入れたときに尿道括約筋を締めきれずに尿漏れしてしまいます。咳やくしゃみをしたとき、重いものを持ったときなどに尿漏れを感じたことがある方もいるでしょう。

骨盤底筋は尿道を締める役割も持っており、この筋肉がゆるいと腹圧がかかってもすぐに締めきれません。そのため、骨盤底筋の筋力を低下させないことが腹圧性尿失禁を防止するために重要なポイントです。

尿漏れは、日常生活でわずかな動作をする度に不安を感じさせる理由となってしまいます。

骨盤臓器脱

骨盤臓器脱も骨盤底筋がゆるむことで発症しうる症状です。骨盤底筋やその周辺の筋肉がダメージを受け、子宮や膀胱などの臓器が元の位置から膣側に下がります。ダメージを受ける要因は出産や加齢が主であり、特に年を重ねることによる筋力の低下で膀胱や子宮、直腸が体外に飛び出します。

初期症状は下腹部や膣内の違和感で、その後股の間に何かが挟まっているような違和感です。さらに、症状が悪化すると排尿・排便障害が引き起こされます。日常生活に大きな支障をきたすため、発症すると心身に負荷がかかります。

感染症リスク

感染症にかかる可能性も、膣のゆるみが原因で起こる事象です。膣が持つ役割の1つとして病原体の侵入防止があるため、ゆるんでしまうと膣内に細菌が入ってしまいます。また、膣の入り口が閉じにくくなり空気やお湯も入りやすくなります。

その結果が、膣内の環境異常と感染症にかかりやすい状態の発生です。感染リスクのある病気の1つである細菌性膣炎は、薬で症状が改善できるため、違和感を覚えたらすぐに病院で診察を受けましょう。

性生活や心への影響

膣圧低下は、性生活の満足度や性行為に対する不満、病気の不安などにより心に深く影響を及ぼす原因です。膣の締まりが弱まると挿入しても密着感が減るため、性行為の際に男女双方が不満を感じやすくなります。そのため昔に比べて満足しにくくなり、行為自体に不安を感じて相性が悪いと思ったりレス状態になったりもします。

性行為の悩みは他人に相談しづらく、1人で不安を抱え込んでしまいがちです。誰にも相談できず悩み続けていると、いつの間にかストレスになりメンタル悪化につながるため、深刻に捉えすぎず改善方法を学んで試してみてください。

膣圧をセルフチェックする方法

膣圧が低下しているか不安を感じたら、自宅で簡単にできるセルフチェックをしましょう。正確に知りたい方は病院で膣圧測定器を使用した計測が確実ですが、おおまかに現状を知りたい場合はセルフチェックで十分です。

セルフチェックの簡単な手順

  1. 両膝を軽く曲げ、体の力を抜いてリラックスする
  2. 人差し指と中指を第二関節程度まで挿入する
  3. 指を45度程度に開き、膣を締めるように力を入れる
  4. 指が感じる締め付け感で膣圧を判断する

注意点として、セルフチェックをする前には必ず手を石鹸でよく洗い、清潔な状態にします。もし爪が伸びていたら、傷つけることがないよう短く切っておきます。指を挿入するときは潤滑油を使用し、痛みを感じた場合は無理な挿入を控えてください。

オックスフォードスケールによる評価

オックスフォードスケールとは、膣圧を評価する指標で、締め付け具合を6段階で評価します。スケール0が最も膣圧が弱く、スケール5が最大です。ただし、あくまでもセルフチェックの指標なため、正確性が確かではないことを理解しておきましょう。

スケール

0 全く力が入らない
1 ほとんど収縮が感じられない
2 わずかに収縮を感じられる
3 抵抗しなければ指が閉じるまで収縮できる
4 抵抗しても指が締め付けられる
5 指が力強く締め付けられる

そのほかセルフチェック時のポイント

日常生活で尿漏れやタンポンのズレ、性行為での感度低下などを感じたときも、膣圧が弱まっている可能性があります。自宅でのセルフチェックも可能ですが、より詳細に正確な状態を知るためには婦人科やレディースクリニックなどでの検査がおすすめです。悩みや改善するためのトレーニング法などを専門家に相談してみてください。

日常的にできる膣圧低下の改善トレーニング

自宅で簡単にできる膣圧の低下を改善するトレーニングをいくつか解説します。膣トレは誰でもすぐに取り組める、膣圧低下を予防したり改善したりするために重要なトレーニングです。コツも説明するため、「まだ大丈夫だろう」と油断せずに若いときから始めましょう。

椅子に座ったままで膣圧アップ

1つ目は、テレビや動画を見ながら、何か作業をしながらでも取り組めるトレーニングです。

まずは椅子に座り、背筋を伸ばして足を床につけ、骨盤に体重を乗せるようにして座ります。座る位置は膝が90度に曲がるように調整してください。そして、膣や肛門をキュッと、上に引き上げるような感覚を意識して締めます。この状態を3秒から5秒キープし、ゆっくりゆるめます。

上記の流れを10回繰り返してください。お尻から頭まで一直線にすること、骨盤に体重がかかるように座ることが注意すべきポイントです。

お尻歩きで骨盤底筋を刺激

お尻歩きは床に座ったまま、日常生活で意識することがほとんどない骨盤周辺の筋肉を動かします。足を伸ばして床に座り、お尻で前に進むだけの簡単なトレーニングです。

気をつけることは背筋を伸ばすこと、前進するときに腕や足の勢いを利用しないことです。前進したり後退したりして骨盤やお尻の筋肉を刺激しましょう。

ベッドで横になって行う膣トレ

ベッドで横になり、体をリラックスさせた状態で行えるトレーニングです。夜に寝る前や朝起きてからすぐに始められます。

仰向けで横になり、両膝を立てます。両腕は体の横に、手のひらをベッドにつけて体の力を抜いてください。そして膣と肛門をキュッと引き締めてゆっくりお尻を持ち上げ、5秒キープします。お尻は30度〜45度くらいで持ち上げること、深呼吸しながら行うことがポイントです。

一連の流れを10回で1セットとして、1日3セット行うことが理想です。お尻を持ち上げてキープする時間も、慣れてきたら徐々に伸ばしましょう。

ケーゲル体操で膣を引き締める

ケーゲル体操は膣トレとして一般的によく知られているトレーニングです。膣をしっかり引き締め、膣圧低下や尿漏れを予防します。

座っていても横になってもどちらでも構わないため、リラックスできる体勢で始めます。まずは尿意を我慢する感覚で、ゆっくり吸いながら膣や周辺の筋肉を引き締めてください。その状態を5秒キープしたら、息を吐きながら5秒かけてゆっくり力を抜きます。この流れを10回繰り返し、1セットとカウントします。1日2〜3セットが目安です。

キープする時間は慣れてきたら10秒程度まで伸ばしてください。また、ゆっくり呼吸しながら行うこと、他の筋肉に力を入れないことも意識しましょう。

内転筋トレーニングで膣圧をサポート

太ももの内側にある内転筋を鍛えることも、膣圧低下を改善するために有効な方法です。内転筋は骨盤底筋と連動しているため、鍛えると膣圧の状況改善に役立ちます。

椅子に座り、股の間にボールや丸めたタオル、クッションなどを挟みます。ゆっくり息を吐きながら、挟んでいるものを押しつぶすように内ももに力を入れてください。5秒から10秒キープしたら、ゆっくり息を吸いながら力をゆるめます。この流れを10回、1セットとして行います。

どのトレーニングにも該当しますが、すぐに効果が出るものではないため、継続して実施することが重要なポイントです。何かをしながらできるものも多く、かかる時間も短いため、ぜひルーティンに組み込みましょう。

膣ヒアルロン酸で膣圧改善も一つの方法

セルフトレーニングでなかなか効果を得られない場合や、いますぐに膣圧の悩みを改善したい場合に、解決法の1つとして膣ヒアルロン酸注入があります。メスを入れないため傷跡が残らず短時間で施術が完了することや、即効性が高いことから、注目を集めている改善方法です。

膣ヒアルロン酸を注入することで膣壁がふっくらし、引き締める力が向上します。また、ハリや潤いも与えるためゆるみの改善ができたり、乾燥による痛みや不快感が緩和されたりします。

注入された膣ヒアルロン酸は体内に吸収され、効果が長時間持続することも大きなメリットです。安全性の不安なく、すぐに効果を感じたい方はぜひ検討していただき、専門のクリニックでご相談ください。

膣圧に関するよくある質問

最後に、膣圧に関してよくある質問に回答します。同様の悩みをお持ちの方はご覧ください。

膣圧が弱いとは具体的にどのような状態ですか?

膣圧が弱いとは、骨盤の底にあり、子宮や直腸などの臓器を支えている骨盤底筋の筋力が低下しゆるんでいる状態を指します。加齢や不摂生な生活習慣などが主な原因です。

骨盤底筋の筋力が低下していることで、膣や尿道を締め付ける力が弱まっていることで起こります。動いたときに尿漏れしたり性行為に満足できなくなったり、風呂上りにお湯が膣から漏れるなど心当たりがある方は、膣圧が弱まっている可能性があります。

膣圧が弱いとどんなトラブルが起こりやすいですか?

膣圧が弱いことで起きやすいトラブルは主に下記の4点です。

  • 重いものを持ったときやお腹に力を入れると尿漏れする
  • 膣がゆるんでいることで細菌が膣内に侵入し感染症にかかる
  • 子宮や膀胱などの臓器が骨盤から飛び出す
  • 性行為が以前より満足できなくなった

症状によっては日常生活に支障を与え、体だけでなく心にも影響を及ぼします。

膣圧は自分で改善できますか?医療的な方法もありますか?

トレーニングをすることで、自分でも症状を改善することが可能です。膣トレを継続すると骨盤底筋が鍛えられ筋力がつき、膣圧が改善できます。また、トレーニングだけでなく、姿勢の意識や日常的な軽い運動も重要なポイントです。

セルフケアで効果が出ない場合や、すぐに状況を改善したい場合はクリニックで治療を受ける方法もあります。選択肢としては膣ヒアルロン酸注入やHIFU治療、膣縮小手術などがあります。効果の継続期間や費用、メリット・デメリットなどを加味した上でカウンセリングを受け、検討してみてください。

まとめ:日常トレーニングと必要に応じた医療ケアで膣圧改善の一歩を踏み出そう

膣圧低下は、若い方でも発症する可能性があります。加齢や出産、生活習慣の悪化、肥満などにより骨盤底筋の筋力が低下することが要因です。膣圧低下が要因で起きる症状としては尿漏れやお湯漏れ、感染症への感染、性生活に対する不満などがあります。日常生活に支障を与え、メンタル面でも悪影響を及ぼすこともあるため早めに状況改善を始めましょう。

膣圧を改善するために重要なポイントは、セルフチェックで現状を把握し、自宅で簡単にできる膣トレや生活習慣の見直しをすることです。短時間で今すぐに始められるため、今日から早速取り組んでみましょう。

なかなか改善しない場合やすぐに効果を実感したい方は、クリニックで医療施術を受けることをおすすめします。体に対する不安を取り除いて自信を持ち、パートナーと良好な関係を築いて楽しい生活を送りましょう。

y’s clinicクリニックは、患者様の悩みに寄り添った丁寧なカウンセリングと満足してもらえるようなアフターフォローを提供するクリニックです。膣圧に関して悩みがある方は、まずカウンセリングをお受けいただき、不安を解消するための方法を提案させてください。

 

 

監修医情報 y’s clinic 院長 上原 英衣
大阪医科大学医学部卒業後、大阪医科大学附属病院形成外科入局。その後冨士森形成外科、大阪医科大学附属病院形成外科を経て、複数の美容皮膚科・美容クリニックで技術研鑽を行い2021年にy’s clinic を開院。形成外科分野(手術)で培ってきた手技と美容医療の新しい技術を組み合わせ、満足度の高い施術をご提供しています。

資格/日本形成外科学会専門医 所属学会/日本形成外科学会、日本美容外科学会、日本美容皮膚科学会、日本抗加齢医学会

関連記事

フェイスラインにたるみが生じる原因は?セルフチェックから予防法・改善方法も解説
膣圧の低下が気になる女性へ|原因・トラブル・改善方法を徹底解説
マン屁(腟なら)とは?空気が漏れる原因と美容医療での改善方法